01-02 — 完成報告・見方

実績部分が完成しました

資金繰り・損益の両方について、実績データを土台にした自動集計の仕組みが完成した。

実績シート入出金明細から月次損益計画・資金繰り表を自動集計
予測データシート今後の売上・支出の見込みを蓄積する器を用意
実績+予測ブレンド型シート基準日を境に実績と予測が自動で切り替わる
数式の機械監査全セルをスクリプトで走査し、参照ズレ・空欄・エラー 0件を確認済み

見方: 「基準日」を境に自動で切り替わる

表の各月は、前月末(基準日)より前なら「実績」、それ以降なら「計画(予測)」として自動表示される。月が進むごとに、表の左側が自動的に実績で埋まっていく。

実績(記帳済み)
計画(予測データ)
2026年1月基準日(前月末)2027年3月
03 — キャッシュフロー分析の基礎

資金繰り表の読み方

数値を見る前に、資金繰り表をどう読むかの3つのチェックポイントを共有する。

  • 1
    資金ショートしないか「翌月繰越金」がマイナスになったら資金ショート。まずここだけは絶対に見る。
  • 2
    経常収支はプラスか本業の日々のお金の出入り(経常収支)がマイナスなら、事業がうまくいっていないサイン。
  • 3
    経常収支 > 借入返済額か借入の返済が経常収支の範囲でまかなえているのが健全な状態。

資金ショートしそうな時の主な対処法

設備を売る
銀行から借りる
オーナーが資金を入れる
経常収支そのものを改善する
返済を圧縮する

CF分析の4パターン

営業投資財務意味
健全・理想型+本業でしっかり稼ぎ、投資もして、借入も返せている
積極成長型++本業の稼ぎに加えて借入もして、投資を加速している(急成長・M&A)
注意・警戒++本業の落ち込みを設備売却や借入でカバーしている
ベンチャー型+本業でまだ稼げておらず、借入で投資・生活を支えている
TKPの現状±0±本業(経常収支)は黒字・赤字の月が混在。設備投資はゼロ。財務収支は借入ではなくオーナー個人の資金の出入り(事業主貸借)のみで動いている

TKPは4パターンのどれにも完全には当てはまらない。外部からの借入に頼っていない点はポジティブだが、裏を返すと資金不足が起きた時に頼れる先がオーナー自身の資金しかない、という構造でもある。

資金繰りの本質(覚えておきたい4つの原則)

1
本業で稼ぐのが、すべての原点営業CF +

ここがマイナスだと、どれだけ資金調達しても「穴の空いたバケツ」状態になる。

2
投資はプラスに、売却はサインに注意投資CF −

将来への種まきとしての投資でマイナスになるのは健全。逆に資産の売却(プラス)は、赤字補填や返済のための切り売り(リソース枯渇)になっていないか警戒が必要。

3
投資目的の借入は恐れない財務CF +

借金=悪ではなく、前向きな事業拡大を加速させる手段。攻めのための借入は健全。

4
最終ゴールは「稼ぐ力」を強くすること

他人の金(借入)に頼る体質から脱却し、自力で稼ぐ力(営業CF)を高めるのが経営の本質。

本業で稼ぐ営業CF +
設備・事業へ投資する投資CF −
借入金を返済する財務CF −
この「健康状態の型」を頭に置いておくと、資金繰り表の数字を見た瞬間に「いま自社がどの状態にあり、次に何をすべきか」がひと目で判断できるようになる。
04-05 — 予測表「器」の完成

実績と予測をつなぐ仕組み

3層構成で、実績が積み上がるほど自動的に「実績化」していく表を作った。

実績シート

記帳済みの入出金データ。すべての実績数値の唯一の正。

予測データシート

今後の売上・支出の見込みを蓄積する専用シート。ヒアリング内容をここに入力していく。

実績+予測ブレンド型シート

基準日を境に実績と予測を自動で継ぎ目なく切り替えて表示する、実際に見る表。

これまで

来月お金が足りるかは、月末になってみないと分からなかった

これから

数ヶ月先の資金ショート時期が、今の時点で見通せるようになる

06 / 08 — この後の進行

ここからは実際のシートを見ながら

ここから先の2つは、この資料ではなく実際のスプレッドシート上で一緒に進める。

ヒアリングシートの回答を見ながら、売上系(人材委託・人材紹介・賃貸仲介・制作)の予測データを一緒に入力する。
入力後、実績+予測の資金繰り表を実際のシート上で確認する。
07 — 損益構造の見方

外注比率・利益率は概算値

現時点の外注比率・利益率は、直近6か月(2026年1〜6月)実績の概算値。件数・単価ベースの精緻化は目標設定フェーズで行う。

事業外注比率売上高営業利益率
人材委託15.6%45.8%
人材紹介0.0%63.5%
賃貸仲介15.8%61.1%
制作720.2% 外注費が売上の7.2倍-1061.9%
09 — 分析結果

2026年1〜8月 資金繰り・損益の分析

実績データから読み取れる資金繰りの推移と、事業別の収益構造をまとめた。

資金繰りの推移

1月起点
経常収支は黒字だったが、オーナーへの資金供給26万円で残高を消費
本業の経常収支は+3.4万円の黒字。しかしオーナーへの資金供給(事業主貸)26万円を差し引いた結果、月末残高は-22.6万円まで落ち込んだ。この後の資金不足は、実はこの時点のバッファ消費が起点になっている。
2月-5月苦しい4か月
売上35万円に対し外注費だけで40万円、経常収支-26万円
4か月の経常収入は約35万円、経常支出は約61万円。特に外注費だけで約40万円と、この期間の売上そのものを上回っていた(売上比114%)。単月最大の支出は4月の約23万円
6月花開いた月
経常収入45万円、人材委託・人材紹介の入金が開始
2026年中最大の月次収入(約45万円)。人材委託(13.6万円)・人材紹介(27.2万円)の入金がこの月から開始し、支出(約23.6万円)を収入の範囲でやりくりできた。
7月安定+投資
人材委託の入金が継続、人材紹介で新たな外注コストが発生
経常収入約25万円・経常支出約20万円。人材委託のストック的な入金(12.1万円)が続いている一方、売上は6月から微減しており、稼働状況の管理が今後の論点。人材紹介の外注(7.8万円)は投資と位置づけ、当面は継続してよい。
8月(進行中)要注視
交通費が約8万円で出費確定(うち新幹線代と見られるものが約7万円)
売上の見込みとあわせて、資金繰りへの影響を確認しておきたい月。

損益の全体像(2026年1〜6月・6か月累計)

総売上
104.9万円
経常利益
15.1万円
経常利益率
14.4%

事業別の売上構成比

賃貸仲介
47.4%
人材紹介
25.9%
人材委託
24.5%
制作
2.1%

事業別の営業利益寄与度

全社営業利益(14.95万円)に対して、各事業がどれだけプラス・マイナスに効いているか

賃貸仲介
+203%
人材紹介
+115%
人材委託
+79%
その他
-138%
制作
-160%

プロの視点でさらに読み解くと

012-5月の資金不足は、実は1月のオーナー資金供給が起点事実

1月単体の経常収支は+3.4万円の黒字。そこからオーナーへの資金供給26万円を差し引いた結果、月末残高が一気にマイナスへ転じた。「2-5月に事業が苦しくて資金が減った」という前に、1月時点でバッファを使い切っていた、という順序になる。

02月初残高0円は集計上の起点であり、実際の口座残高ではない前提・要確認

この資金繰り表の1月1日時点の残高は便宜上の起点。事業用途と個人用途が混在する口座のため、実際の事業用現金残高を正確に切り出すのは今後の記帳整理の課題。現時点の数値は絶対額ではなく「傾向」として見るのが正しい使い方。

03人件費・社会保険料ゼロという構造事実

6か月間、役員報酬・給与手当・法定福利費はすべて0円。現在の経常利益率14.4%は「人を雇わない外注ベースの構造」で成立している数字であり、法人化して雇用が発生した時点でこの水準は前提が変わる。

04制作事業は外注費が売上の7.2倍事実

単なる収益性の低さを超えて、事業として続ける条件を検討すべき水準。先行投資として続けるのか、撤退基準を設けるのかの整理が必要。

05賃貸仲介の月次ムラ仮説・要確認

月によって0円〜14.4万円と大きく振れている。不動産仲介業には一般に季節性があるとされるが、件数・単価・AD(仲介手数料)のどれが動いているかは未確認。

今後に生かせるポイント

  • 外注の支払いを、売掛金の入金サイトに合わせて行うと資金繰りが安定しやすい。
  • 外注比率の予算をあらかじめ決めておくことで、安定した営業利益率を確保できる。
  • 突発的な出費に備えて、一定額を予備資金として積み立てておくとよい。
10 — 次のステップ

目標設定フェーズへ

数値の見える化が完成したので、次は事業ごとの「モデルケース」を具体的な数値で設計するフェーズに進む。

モデル単価事業ごとの想定単価
想定件数月間の目標件数
利益率目標事業ごとの目標水準
AD等(不動産)仲介手数料の設計
外注比率予算事業ごとの上限目安
差異管理目標との差異を追う仕組み